関西人にとって鱧は夏の風物詩なのだが、実際のところ魚としてはむしろ秋の方が脂が乗って旨くなるらしい。
初夏からずっと、仙台出身で鱧料理に馴染みのない鮨正の鮨職人村上さんに、関西人にとってのソウルフード鱧を召し上がっていただこうと画策していた。
鱧は関西で修業しないと扱えるようにならないので、村上さんは試したいのにうまく骨切りできず苦労しておられた。(仙台では鱧と言えば骨ごとすり身にして高級蒲鉾にするらしい。)
それから半年経ってようやく、創楽屋の小川さんから「脂の乗った良い鱧が入荷する」と連絡いただいて、特注の鱧づくし。
先付けの3種盛に鱧ざく。
鱧の湯引きと焼き霜造り。
身が厚くてフクフク。
鱧しゃぶ。(写真は3人前)
珍しい鱧の浮袋や肝まで味わえる。
鱧の押し寿司。
最後にまた鱧の切り身まで入った雑炊と、1人当たり丸々1尾の肥えた鱧を堪能した。
外見だけでは分からないが、特筆すべきは鱧から取った出汁。
鱧の骨や玉ねぎを使って丁寧に4時間以上かけて取る出汁は、味醂など使わずに天然の甘さと旨みが堪能できる。
KLでいただける鮨以外の本物の和食は、大阪、新地の料理人だった小川さんの居酒屋「創楽屋」と、大分の料理人原田さんの会席料理「Pnp」。
今のところ、この2店かなあ。
お任せを事前予約するのは必須として、お勧めの居酒屋。
(鱧は11月中旬まで良い状態が続くようですが、値段は特注で1人当たり鱧1尾丸ごとをコースにしてもらうと安くはないです。詳しくはお店にご相談ください。)
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