日本でなら、一定以上の高級レストランやバー、カジュアルでも人気の高い居酒屋で当たり前に堪能できるクリーミーな泡で覆われた生。
カウンターに座ると目の前でバーテンダーさんが丁寧に丁寧に泡を取り除いて、最高にきめ細やかな泡が表面張力で盛り上がっているのを当然のこととして目にする事が出来る。
ところがマレーシアは違うんですよ(笑)
むしろ、泡なんて一切立てずに、グラス一杯なるべくたくさんの液体で満たす方がおもてなしとされている部分もある。
「鮨正」が割とこちら。ローカル華人客が多いからね。
でも大抵の場合は、そのどちらでもなく雑な蟹泡が消えかかった状態で提供される(泣)
きれいなクリーミー泡を毎回必ず提供してくれたのは、既に閉店した「笹川」くらい。ここは、料理人だけでなくホールのマネージャーも含めて日本人スタッフが何人かいて、スタッフ同士のチームワークも良く日本流が徹底されていたから。
と、日本で標準とされる旨い生ビールに出会うことがなかなか困難なKLで、オープンして3か月の「北海道いちえ」にようやく生ビールが設置された。
しかもこの泡。
ゆうべ搬入されたばかりだというサーバーから、店長の金(こん)さんが丁寧に泡を取り除きながら入れてくれた。横でスタッフが珍しそうに見ている。
金さんによると、やはりローカルスタッフからは「(泡をスプーンですくって捨てるなんて)どうしてそんなもったいないことをするんだ?」と聞かれたらしい。
ビールを扱うスタッフの皆さんにもきちんと伝えて、みんなが同じ泡を提供できるようにしてもらえると嬉しいもんだ。もっともローカルのお客さんには「これが本物の日本流」と伝えないとクレームが来るかもしれないけど。釜飯みたいにローカル向けと日本人向けの2種類が必要かも(笑)
ところで、この店に来て時々見かけることは、ランチタイムのピークが過ぎて少し手が空いた頃に日本人店長の金さんが調理していると、横でローカルスタッフが手元をじっと見ていること。
日本でもマレーシアでも同じだけど、スタッフが自分の店が提供する料理に関心を持っているのは安心できる。そういう良い店がKLにもどんどん増えて行きそうで楽しい。
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