移住計画は着々と進んでいて、自宅の売却という大きな通過点を越えた。
自分ひとりのことではなく、お相手のあることなので詳細は書かないが、とても良い方にお引渡しすることになった。
一番嬉しいのは、ほんとにほんとにこの「思う壺Bar」を気に入ってくださったこと。
特に3年がかりでローマ字メールで打ち合わせをして製作していただいた土佐和紙の障子。
厚生労働省の「現代の名工100人」に選ばれたこともあるオランダ人和紙作家のロギールさんの大作「日本の四季」。
ロギールさんはこの人。
ロギールさん動画ちなみにローマ字メールは、土佐弁は喋れるが、日本語を読めないロギールさんとの通信手段。
彼からのメールも当然ローマ字で、「…jakini,」と書かれているのが「だから」の土佐弁接続詞であることに一人で楽しく笑ったものだった。
我が家にある作品は、壁一面に7枚の障子のうち、4枚は季節の草花を漉き込んだり桜の花びらや雪の満月が描かれ(描くと言っても紙漉の濃淡や漉き込むもので表情を出している。)、3枚は赤土で色づけ、砂利を漉き込んである傑作。
同じ和紙で、別の壁には4枚障子のオーディオラックが設置されている。
ライトアップすると一層幻想的。
この作品をことのほか気に入ってくださって、1回見ただけで購入を決断してくださった。
もちろん障子だけでなく、窓に広がる遮るもののない眺望も気に入っていただけた。
私たちだって、もしもニンゲンだけの移住なら、この東京の本拠地を売ろうとは思わなかった。
でも、フェレットのつぶとおむを国境を越えて連れて行く以上、そうそう頻繁に日本に戻ることはできない。
最初は、二人が幸せにお星になったら、また戻ってきて年に数ヶ月は日本にも住むかもしれないので、それまでは人に貸しておこうとも思っていた。
でも移住の準備を進めるにつれ、日本での確定申告や源泉徴収(大家が非居住者である賃貸物件を社宅として借りる場合は、家賃から源泉徴収しないといけないため、その面倒を嫌がる法人も多い。都心の高額賃貸物件の主な需要層は外資系企業の駐在用社宅なので、この層に嫌がられると貸しにくい。)、賃借人さんがこのロギールさんの障子を大切に扱ってくれるか…と、準備がとても煩雑になるので、本当に気に入ってくれる人が現れれば、売却してしまったほうが、この作品のためには幸せだと考えを変えた。
後4ヶ月でこの「思う壺Barシロカネ」ともお別れ。
寂しいけど、次は「思う壺Barクアラルンプール」。
1年半ほど賃貸生活の後、2015年夏に竣工予定のコンドミニアムを既に購入してある。←支払いはまだだけど。
KLに行ったら、また新しいインテリアをプランニングしよう。
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