つぶ、2012年1月14日午後11時33分。
7歳10ヶ月でお星になりました。 正確にはあと1週間で10ヶ月でしたが。 振り返れば、異変は13日から起こっていたと思います。 うんちが少量の下痢だし、食餌量は減っていたし。 後ろ足だけでなく前足も弱ってきたのかな?と感じた瞬間が13日の午前にありましたが、今思えばあれは低血糖の症状だったのかもしれません。 12日まではうんちやおしっこをもよおすと、とにかくもぞもぞ動いてトイレに行こうとしていたのに、13日には自分の寝床の中に漏らすようになったのも、やはり低血糖が進行したためだったのかも知れませんが、私は老化が進んできたんだと思っていました。 昼間は免疫サポートもふやかしフードのつゆだくスープもペロペロ完食していたので、「食欲がなくなったら、後は早い。」と思っていた私には、まだまだ終わりまでには時間があると思えました。 ところが友人が遊びに来ていて珍しく夜更かしした13日の深夜0時頃、寝る前に与えた免疫サポートを彼女は食べ残しました。 夕方の時点で倉田先生に電話で相談してステロイドを増量して与えたのにちょっとヘンだと、そこでチラッと思いましたが、それでもそこから24時間持たないとまでは覚悟しませんでした。 14日朝7時頃、目が醒めた彼女の寝床を確かめると、中でうんちやおしっこをしてしまった様子。 ぼんやりした表情を見て、思う壺ダンナに 「つぶさん、ちょっとヘン」と告げて1.5ccのステロイドを与えました。 合わせて、きのうの夜の食べ残しの免疫サポートを口元に持って行ったのに、彼女は食べようとしませんでした。 その後、時間が経過しても彼女に活発な様子は戻らず、私は今日が最期だと覚悟しました。 でもこの時点では、インスリノーマの末期症状と言うのが、あれほど激しいものだとは知りませんでした。 今日が最期と覚悟したので、つぶさんをタオルで包んで、二人交代で抱いていました。 時々水や食べ物を与えようと試みましたが、彼女は歯を食いしばって拒否します。 9時半過ぎ、彼女が手足をジタバタと動かして痙攣を始めました。 私は彼女がこれで息絶えるのだと思ったのですが、そうではなくてこれが終わりの始まり、最初の発作でした。 激しい痙攣の後、彼女はまた静かに呼吸を始め、息絶えることはありませんでした。 ところが15分ほどしてまた発作。 今度は、激しく痙攣し、仰け反ってキィーと言う悲鳴をあげました。 その様子はとても辛そうで苦しげで、見ていられるものではありませんでした。 開院の10時を待って倉田先生に電話をかけ状況を伝えると、先生からもう一度ステロイドを与えるようにと指示されました。 朝から食べ物も水も一切拒んでいて、ステロイドを飲んでくれそうには思えないと伝えると、シリンジで肛門から注入するようにとの指示でした。 ところが指示通りに肛門からステロイドを注入しても、つぶさんの激しい発作はおさまるどころか、5分、10分間隔で絶え間なく襲ってきます。 あまりに辛そうで、見守る私の胸が張り裂けそうです。 次の発作で息絶えるだろうと何度も思いつつ時間が経過し、それでも彼女は全てを終わりにする様子を見せません。 12時半に倉田先生に再度電話をすると、更にステロイド注入をして様子を見た後1時間後に電話をかけてくるよう言われました。 13時半、また電話をして、先生に 「もう、このコは助からないんでしょう。きちんと覚悟はできてます。 ただ、この苦しさからは開放してあげたい。 病院に連れて行けば、何か処置していただく方法はありませんか。」 と訴えると、倉田先生は 「それはインスリノーマの末期症状で、脳の神経がやられてしまって起きている発作です。 傍目にはものすごく苦しがっているように見えますが、本人は既に昏睡状態で感覚がないものと思われます。」 と言われました。 「多くの場合、その発作が半日くらい続いて最期がやってくるのですが、個体差もあって2日以上続くケースもあります。 発作を抑えるために病院で鎮静剤を投与するという選択もありますが、普通の鎮静剤ではおさまらず、もっと深いものをかけるという手もあります。ただそれだともう二度と醒めてこないということも…。 2日続いてくると、そういう安楽死を希望される飼い主さんもあります。」 電話を切って、思う壺ダンナに内容を告げました。 この時点で、私たちに「彼女は既に昏睡状態で、苦しく感じているのではない。」という言葉を疑う選択肢はありません。 それだけを信じて、彼女の「苦しそうに見えるけど、本人はもう苦しんでいない」発作をただ見守り続けました。 午後2時頃から発作がおさまり、彼女は静かに眠っているような状態になりました。 名前を呼んでも微かな反応さえ見せることはなく、それが「昏睡状態で苦しんでいない」証拠と思え、私はかえってほっとしました。 あとはただ最期がやってくるのを待つだけの時間。 私たちは交代で彼女を抱いて、時々もらしてしまううんちを拭いたり、タオルを取り替えたりしていました。 ウンチはタール状で、内容物のない緑がかった黒いものでした。 午後8時前、再び倉田先生に電話をして、つぶの発作はおさまって、今まだ生きていることを告げ、この後ステロイドを注入する必要があるのか、それによってかえって無意味に延命し彼女を楽にしてあげるのが引き伸ばされる結果になってしまうのか尋ねました。 先生曰く 「神経の状態が更に悪化して、発作の次のステージに入っているものと思えます。 もう意識が戻ることはなく、ただ呼吸をしているだけの言わば脳死に近い状態です。 ステロイドを入れたから回復するというものでもなく、やってもやらなくても同じですが…。」 「もしも、先生だったらどうされますか?」 「もしも、ボクが自分のフェレットだったら…ダメモトと分かっていてもステロイドを入れるでしょうね。」 こんな会話の後、明日また状況をご報告すると言って電話を切りました。 つぶが永眠した、と言うご報告しかないのは分かっているんだけれど。 電話の後二人で相談して、もうあんなに激しい発作が来ないのなら、このままただ昏睡状態が続くだけなら、何もせず自然な状態で見送ってやろうと決めました。 ところが8時過ぎから彼女はまたあの発作を見せ始めました。 もっとも、既に手足をバタバタさせる体力はなく、キィーッという悲鳴ではなくヒイヒイと喉の奥から息が洩れるだけでしたが。 いくら苦しんではいないと信じても、またこの発作を見続けるのが辛かった私たちは、方針を変えてステロイドを注入しました。 それでも発作はおさまらず、10時半までの2時間半彼女は繰り返し仰け反ってヒイヒイと言う音を出していました。 10時半頃になるとあの発作ではなく、嘔吐するような様子で口からよだれか泡のようなものを出し始めました。 1日中の緊張と泣き続けたことで頭痛がし、目の奥が痛くなった私でしたが、目覚めたら彼女はもう冷たくなっていたということだけは避けたくて、眠気と戦いました。 また彼女の様子が変わって、今度は普通にウンウンとうなるというか、クーン、クーンというような声を出し始めたところで、みんなでベッドに移動しました。 ソファで彼女を抱きかかえたまま1日を過ごしましたが、このままうっかり転寝でもしたら風邪を引きそうだったから。 2人の枕の間に彼女を寝かせ、3人川の字になって横たわっていたのですが、彼女の呼吸が止まったときにすぐ気づけるように、思う壺ダンナがつぶのお腹の上に手を当てていました。 私は彼女の足の辺りに手を置いていたのですが、クンクンという呼吸のような鳴き声のような音が止まったので、指先に神経を集中すると、彼女の体の動きのようなものが感じられません。 「つぶちゃん、呼吸してる?」 慌てて聞く私の声で、一瞬まどろみかけていた彼が起き上がりました。 「してない。動きがない。」 11時33分。 これがつぶさんの最期でした。 ようやく楽になれた彼女を想い、私は本当に嬉しかった。だって、何度も何度もお星のおむに「早くつぶさんを楽にしてあげて。」とお願いしたのですから。 彼女は既に苦しみを感じていないという言葉を信じつつも、早く楽にしてあげたい、という矛盾した感情でした。 なんどかうんちをもらした彼女の尻尾には黒いタールがこびりついていて、思う壺ダンナは 「お星のおむクンと久しぶりに会うのに、うんちがついてたら美人も台無し。」 と言い、二人で動かなくなった彼女の体を洗いました。 お尻にお湯のシャワーをあてて洗っていると、体内に残っていた黒いウンチが出続けました。 タオルで拭いた彼女の体をまた川の字の位置に戻して、それから私たちはお酒を飲みました。 「これ、献杯って言うねんぞ。」 彼女の上で乾杯をして、長かった今日1日のこと、つぶさんと過ごした7年8ヶ月のこと、二人で語り合いました。 辛いけど、最期の1日はほんとに辛かったけど、平均寿命より長かった7年10ヶ月のつぶさんの一生を精一杯の愛情で満たして上げられた満足感があります。 だから、今回のペットロスは、おむの時ほどキツクないと思います。 つぶを可愛がってくださった皆さん、こんな風に私が私たちのために書いているだけのブログに足を運んで応援してくださった皆さん、本当にどうもありがとうございました。 我が家に来たときの赤ちゃんつぶ。
by omoutsubo-bar
| 2012-01-15 05:31
| 長女つぶ闘病記
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Comments(2)
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つるまき
at 2012-01-15 12:17
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つぶちゃん、ずっとみんなと一緒にいられてよかった。
インスリの後半はどうにもできなくてただ辛く、楽になれたこと、最期まで一緒にいられたことに感謝しましたのです。 みうさんお疲れさまでした。いっぱい泣いてください^^。 つぶちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。
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omoutsubo-bar at 2012-01-15 13:04
ありがとう。つるまきさんのコたちのもらいペットロスをした私ですから、きっとつるまきさんもつぶのために泣いてくださっていることと思います。
でもつぶの一生は本当に幸せでした。 だから私はすぐに立ち直れそうですよ。 本当にありがとうございます。
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